News Detail

Media

「GQ JAPAN」(2014年3月号)で、チームラボ猪子の連載。「ルールを破らなくても済む都市、ルールが高度すぎて守りきれない都市」

連載「日本、アジア、そして21世紀 拡大版」
第七回「ルールを破らなくても済む都市、ルールが高度すぎて守りきれない都市」


ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」の代表・猪子寿之の人気連載。拡大版の今回は、シンガポール・ビエンナーレへの出展を通じて見えてきた、シンガポールがなぜ今、アートとピースに溢れているのか、の理由について。

シンガポールに来る前は、ルールを破るとめちゃくちゃ厳しい国というイメージがありました。外国人である自分は、シンガポールのルールを全部分かりきっていない。だから、気がつかないうちにルールを破って、鞭打ちになるのではないかとドキドキでした。けれども、いざシンガポールに行ってみたら、東京よりずっと治安もよく、街もずっときれいで、みんな自由にしているし、そもそも警察を一切見ません。気がついたら日本よりずっと気楽に自由にしている自分に気付いたのです。それは、なんでなんだろう、ってことをちょっと考えてみました。

 シンガポールは、人々ができるだけルールを破らなくてもいいように設計されているような気がするのです。例えば、歩道の数メートルおきに、ゴミ箱と灰皿があります。目の前にごみ箱も灰皿もあるので、無意識にゴミはゴミ箱に捨て、灰皿の前でたばこを吸います。そのため、東京と比べて3倍近い海外渡航者がいるにもかかわらず、そして、海外渡航者たちはシンガポールのルールを知らないと思うけれど、結果的には、誰もルールを破らず街はきれいなのです。

 逆に、日本は、ルールを作ればルールを守るのが当然で、ルールを破るのはその人が悪いというきれいごとの元、なにか問題があるたびに、ルールを作れば問題が解決したと考えているような気がするのです。そして、そのルールが守れない人が多い場合、そもそも何故守れないかを考えずに、違反者を捕まえる人を増やせばいいと考えます。警察だけでは足りないからと、新たにポイ捨て専門と路駐専門の特別部隊までつくっています。その結果、日本の街には警察が溢れ、それだけでは事足りず、特別部隊まで溢れているのです。

日本ではルールを守れていることに注意が行き過ぎ、イノベーションや高い付加価値など成果を出すことにまで注意がいかず、誰も成果について話題にしません。成果が重要ではなくなるという弊害を生むのです。  社会も企業も、無駄にルールを増やしたり、守らせることに労力を費やしています。でも、そもそもルールを破らないで済むような仕組みをつくったり、本質的に考えてそこまで重要ではないルールを減らしていくことにエネルギーをかける方が、ずっとずっと知的でクリエイティブだと思うのです。そして、ルールを守ること自体が美徳にならなければ、本質的な価値を生み出すことに自然と集中すると思うのです。そして、そんな社会や企業こそ世界中から愛され、選択されると思うのです。
(本文より抜粋)
Web版で全文を読む>>

GQ JAPAN


GQ JAPAN(2014年3月号/コンデナストジャパン)
2014年1月24日(金)

CONTACT

制作のご依頼・ご相談・お見積もり

お問い合わせ

RECRUIT

エンジニア、ディレクター、デザイナー、アルバイト募集中

採用について