チームラボ猪子氏が語る、日本人とネットの相性が"ハンパなく"良い理由
【基調座談会2】
井上明人×猪子寿之×宇野常寛×濱野智史
日本的想像力と「新しい人間性」のゆくえ
■日本人は"客観的"になれない
宇野(以下、宇):猪子さんはよく「日本的想像力とネットは親和性が高い」と言ってますよね。どうしてそう思うのでしょうか。
猪子(以下、猪):うーん、うまく説明できないかもしれないけど、具体的な話から超上位概念まで徒然に話すね。抽象的なことから言えば、欧米の人たちは、世界は客観的に捉えることができると信じていた。だからこそ自然科学も発達したし、産業革命後の大量生産・大量消費社会とすごい相性がよかった。マスメディアともきわめて相性がよかったと思う。
一方で日本人は、世界を客観的に捉えることができないと思ってきた人々だと思います。たとえば議論でも日本は白黒はっきりとつけられないし、「まぁまぁまぁ」「それでは田中さんの顔を立てて......」みたいなことが多い。また、物語でも西洋では客観的な正義があって客観的な悪を駆逐して秩序を守るようなものが多いけど、日本だともうちょっと立場によって正義が異なっていて、世界観全体にも正義がないところで物語がつくられている。
客観的なものが何もないところが情報社会やインターネットの構造と似ているのだと思います。マスメディアだけの世界ならば「世界の正義はこれだ」と単に伝えればよかったけど、インターネット登場以後ではそれぞれの立場が違うことが明るみに出るので「世界には客観的な何かがある」ということをもはや信じられなくなった。
(本文より抜粋)
Huffington Post
2013年10月11日(金)

