メンバーインタビュー
2025.1.17
チームラボでは、アプリケーションの開発を通じてさまざまなお客様の課題解決を行っています。さまざまなキャリアを持つメンバーが多数活躍している中で、今回は未経験からiOSエンジニアに転身し、現在はスマホチームの班長を務めるメンバーにインタビューしました。
・未経験からエンジニアとして転職
・エンジニアとして独り立ちするまでの歩み
・独り立ちしたあとのキャリア
赤澤 海知(Akazawa Kaichi)/ スマートフォンチーム iOSエンジニア
- ・機械系の学科を卒業後、新卒で自動車部品メーカーに就職
- ・2021年、チームラボエンジニアリングに中途入社
・2023年、チームラボに転籍し、案件リードやスマートフォンチームの班長などを担当
-チームラボ入社前のキャリアについて教えてください。
大学時代は機械工学を専攻していました。車が好きで、レーシングカーをつくるチームで活動していたこともあり、新卒では自動車部品メーカーに就職して設計などを担当していました。
もともとものづくりが好きで、ものづくりがしたいと思っての選択でしたが、やはり車という大きなものをつくるには膨大な時間とお金、そして労力がかかります。その環境では「こうしたらどうなるだろう」と細かな試行錯誤をするのが難しく、もどかしさを感じることもありました。
そんな中で、業務の一環で行う計算やそのために必要なツールをつくって動かすことにおもしろさを感じ、ソフトウェアのものづくりに興味を抱いたのが転機となりました。自分がつくったものがパソコン上で動くだけでもおもしろくて、車のように形あるものにこだわる必要はないのかもしれないと考えるようになりました。
-異なる職種から未経験でエンジニアに転身されていますね。どのような準備をされましたか?
プログラミングの知識は全くなかったので、まずはインターネット上で無料で公開されている教材などを見ながら、自分でつくってみることからはじめました。徐々に「本業にしたい」という思いが強くなってきたところでプログラミングスクールに入り、転職を見据えて本格的に学びはじめました。
プログラミングはパソコンさえあればどこでもできるし、試してみたいことがあればすぐに実行できるのでとても楽しかったです。本来ものづくりに対して感じていた楽しさを改めて見いだすことができ、こんなに簡単に創意工夫が表現できるなんて…と夢中になりました。
ちなみにこの時既に前職は退職しており、数か月ほど毎日フルタイムを勉強に費やしました。当時は20代後半に差し掛かった頃。「今このチャンスを逃したら、次の機会は無いかもしれない」と自分を追い込んだことが、良い結果に繋がりました。
-入社したのはチームラボエンジニアリングですね。どのような点が決め手となったのでしょうか?
会社を見る際の軸はふたつありました。ひとつは、前職でお客様から受注する仕事をしていた経験が生かせるかどうか。もうひとつは、さまざまな業界から依頼を請けて幅広いものづくりをしているかどうか。IT業界未経験なので、案件を通じて広く学びたいという思いがありました。
その上で、研修などが充実していたことに加え、最終的には会社の雰囲気が決め手になりました。ものづくりが大好きな人が集まっているチームであることを感じましたし、メンバーとリーダー層との距離が近く年齢や所属年数による上下関係が無いことや、職種や役割での分断がなく、いい意味で境界が曖昧なのが自分に合っていると感じました。チームみんなでお客様に向き合う仕事だからこそ、役職や職種を越えて協力しあえる関係性にとても魅力を感じました。
-入社後はどのようにスキルを身につけていきましたか?
僕が入社した当時は入社後まず2か月ほど研修があり、実際にアプリケーションをつくる課題などに取り組みました。メンターの方がついてくださり、技術はもちろん、「チームでの開発ならこうした方がいい」など実案件を想定したアドバイスもいただきました。
それでも研修後に初めて入った案件では、全くプログラムが読めなくて…(苦笑)。想像の10倍くらい難しく感じましたね。そこから、仕事の合間に他のメンバーが担当している案件や終了した案件のプログラムを読み込んだりして、必死に学んでいきました。
チームラボエンジニアリングとは?
2016年創業。
チームラボの社員が必要とする開発経験やプログラミングスキルがまだ少し足りない方々に、今後チームラボで活躍する準備のため、研修を行い、業務の経験をご提供していくチームラボのグループ会社です。
研修内容や、チームラボへの異動の流れについては創業メンバーCTOが説明した記事をご覧ください。
-入社後はどのような案件を担当してきましたか?
一貫して金融系のアプリケーションを担当しています。金融業界に関する知識を学んだり、さまざまな金融系のアプリを触って比較したりしながら、日々気づきを得ているところです。他社のアプリも機能や動き、画面遷移のプロセスなどプロダクトとしてのつくりを見て学ぶことで、最新の技術情報のキャッチアップだけでは得られない課題解決へのヒントを探っています。
-どのような時に自身の成長を感じましたか?
開発チームの体制が変わり、自分がリーダー的なポジションになった時でしょうか。担当するiOSアプリに関してはすべてをわかっていなければならないし、すべての責任を負わなければならない状況になり、非常に大きなプレッシャーを感じました。だからこそ成長できたのではないかと思います。
-どういったことが、リーダーポジションを任されるに足る信頼を得ることに繋がったと思いますか?
細かなことではありますが、コミュニケーションをしっかり取ってきたと自負しています。未経験スタートなので、技術に関しては劣っている部分があったはずです。その分報告・連絡・相談を徹底したり、わからないことがあれば質問して解消するなど、できることを大切にしてきました。
-23年8月にチームラボに転籍となり、10月からは班長をつとめていますね。班長になってから自身の変化は感じますか?
スマートフォンチームではメンバーのスキル・マインド面の引き上げや業務のサポートとして班体制を取り入れています。僕が班長になる前は仕事に喰らいついていくだけで精一杯で、如何に目の前の仕事をうまくこなせるか、ペースを乱さずに現状維持できるかばかり意識していたと思います。班長になった今は、「どうしたら現状より良くできるか」を考えるようになりました。
ただ、コミュニケ―ションの取り方は昔も今も変わりません。結局大切なのは、相手がどのような情報を欲しているか考え、適切なタイミングで伝えることです。「進捗どうですか?」と質問されたとしたら、それを聞いた背景や、聞いた後どうしようとしているのか、そしてどう答えたら相手が知りたいことを満たせるかを考えて、伝えること。これはどの立場でも大切なことですし、チームラボが入社年度やポジション問わず近い距離感で働ける環境だとしても変わらないことだと思います。
あとは先ほど話した「役割の境界の曖昧さ」に関して、班長になってからより一層自分自身の役割の境界が曖昧になり、それが良い形で機能していると感じます。デザイン面も見るようになったり、プロジェクトマネジメントの割合も大きくなってきており、時々「僕ってエンジニアだよね?」と思ったりもします(笑)。でもそうした方がうまくチームが回るのであれば、エンジニア以外の仕事をしても良いと思うんです。
それでも、エンジニアとして手を動かすことは変わらず続けていきたいです。業務上の割合は減ったとしても、それこそが自分自身のベースとなるものですからね。
チームラボで役割の境界を明確に分けすぎない理由については、創業メンバーが国際的なカンファレンスで話した際の登壇をご覧ください。
-エンジニアという仕事に対する印象や考え方は、どのように変化しましたか?
以前は「エンジニア=プログラムを書く人」ぐらいのイメージで、誰かがつくった仕様書を見て、プログラムを書いてものをつくるものだと思っていました。もちろん実際はそんなことはなく、仕様書づくりにも関わるし、必要であればプログラムを書くこと以外の業務もやるべきだと学びました。
エンジニアにとって、当然ベースとなるのはプログラムを書くスキルですが、それはあくまで仕事道具のひとつです。僕たちの仕事はお客様の課題を解決することなので、そのためにやれることをやるという意識が大切だと思います。
-車からソフトウェアへ、つくるものも大きく変わりましたが、ご自身ではどう捉えていますか?
前職の形あるものづくりと現在のソフトウェアのものづくりで異なる部分は多々ありますが、根底に純粋な好奇心があれば、つくるものが変わったとしても必要なスキルはすぐに身につくものだと思います。「この仕組みはどうなっているんだろう」「なんで動くんだろう」など、知りたいという気持ちがあれば自ずと学んでいけるもの。その好奇心を持ち続けることが大切なんだと思います。
-ありがとうございました!最後に今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。
僕自身としては、やっぱり案件において最前線に立ち続けたいですね。立ち上がりから関わり、技術の力を活かしてお客様の課題に対する解決策を提案し、とにかく良いアプリをつくりたいです。
ものづくりは楽しいものです。その中でもソフトウェアのものづくりは、パソコンひとつあればいろいろなことが試せるし、失敗したり間違ってもすぐにつくり直すことができます。それに、普段自分自身が生活する中で触れているものをつくれることにはやりがいを感じますね。生活の一部となるものをつくるのは、ものづくりの醍醐味だと思います。
今現在は形あるものをつくっている方でも、きっと楽しめると思います。ものづくりが好きな方と、是非一緒に取り組んでいけたら嬉しいです。
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