ソリューションアート広報/PR
コンサルから未経験でチームラボの広報に転職 チームラボのアートを世界に伝えたい

メンバーインタビュー

2024.11.29

新聞、雑誌、テレビ、Web媒体などの外部メディアと関係を構築し、世界各地のアート展に関する情報を届ける「広報(メディアコーディネート)」。コンサルティングファームから未経験で転職し、「チームラボボーダレス」移転オープンの広報プロジェクトなどを担当したメンバーにインタビューしました。


吉川えみ ソーシャルブランディングチーム メディアコーディネート

早稲田大学国際教養学部を卒業後、新卒で外資系コンサルティングファームに就職。ビジネスコンサルタントとして、大手企業や政府機関と協働。2023年、チームラボのメンバーに。以降、メディアチームのリーダーを担当し、チームラボの作品・アート展に関する取材や、講演依頼等の外部メディアとのコミュニケーション全般を担当。

未経験で広報へ-誰もが受け取れるプロダクトとして見出した可能性

-異業種・異職種からの転職ですが、どのような背景があったのでしょうか?

新卒で入社した外資系コンサルティングファームでは、企業の業務効率化支援や政府機関との協働などを行っていたのですが、もともと人と人とのコミュニケーションが持つ力に興味を持っていたんです。学生時代に国際関係を学んでいた頃から、国対国という重大な局面をはじめ、さまざまな分野で人対人のコミュニケーションが大きな影響を及ぼしていることにおもしろみを感じていました。パブリックリレーションズ(以下、PR)に関する授業も受けており、実際にPRに従事している方々からお話を聞いて、PRプランナー資格認定検定試験(*) 1次・2次試験を受験し、合格しました。

* 主催:公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会 後援:日本広報学会


PRは企業や商品の価値を大きく左右するものであり、「なんかいいな」「この製品好きだな」といった好意が生まれる背景には、綿密なコミュニケーション戦略の積み重ねがあります。それにより、言語化できない要素も含めてイメージができていくという、とてもおもしろい分野だと思います。


-転職の際は、どのようなことを軸に企業を探していましたか?


3つあります。1つめは、BtoBの前職とは異なり、BtoCの領域で自社プロダクトを持っていること。企業の業務効率化支援も意義のある仕事ですが、次は自ら製品をつくって届けている企業がいいなと考えていました。


2つめは、どんな方でも受け取ることができるプロダクトであること。年齢や性別、国籍などを問わず、世界中の誰もが体験できるプロダクトを探していました。


そして3つめが、今後さらに成長していく可能性を感じるプロダクトであること。


この3つを軸に探す中でチームラボとの縁があり、これまで世界各地で開催されてきたチームラボのアート展が、多くの人々に体験されてきたことや、今後も新しい展覧会が国内だけではなくヨーロッパや中東などでも予定されていることに可能性を感じ、広報に関わってみたいと入社を決めました。

広報の仕事-多数のステークホルダーとの調整に奔走

-2023年に入社して約1年半になりますが、どのような業務を担当されているのでしょうか?


広報チームでメディアコーディーネートを担当しています。世界各地のアート展において、新聞、雑誌、テレビ、Web媒体などの外部メディアと関係を構築し、展示に関する情報をお客様に届けるべく日々奔走しています。


-これまでに経験した中で、特に印象的なプロジェクトについて教えてください。

2024年2月に、お台場から麻布台ヒルズに移転オープンした、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス(以下、チームラボボーダレス)」でしょうか。


このプロジェクトは、森ビル様や施工会社、協賛企業などのステークホルダーが非常に多く、情報が世に出ていくまでの工程もとても複雑でした。麻布台ヒルズやチームラボボーダレスの工事はオープン直前まで行われていたため、作品の完成時期を確認し、いつ何を対外的に発信できるのかを、森ビル様や、チームラボの様々なメンバーと密に連携する必要がありました。もちろんメディアの誘致の調整もあり、さまざまな関係者と足並みを揃えるために奔走しましたね。数年前から綿密に準備された広報プランに基づき、半年以上前からは、プレスリリースの配信や内覧会の開催に力を入れて、なんとかオープンの日を迎えられた...という感じです。無事にオープンして代表の猪子がテープカットを行ったときには、本当にほっとしましたし、大きな達成感を感じました!


なお「チームラボボーダレス」は常設のアートミュージアムのため、一過性の盛り上がりで終わらないように、引き続き、様々な施策を実行し、奔走中です。

チームラボ「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」東京, 麻布台ヒルズ © チームラボ
広報が目指すこと-チームラボのアートを世界に届ける

-広報、そしてメディアコーディネートという仕事において、大切にしていることはなんですか?


「チームラボのアートを世界中に、正しく、広く届ける」という気持ちを持つことです。チームラボのアートはアーティスト、エンジニア、CGアニメーター、数学者など本当に多くの専門家たちの集大成であり、努力の結晶です。私自身は手を動かして作品をつくることはないからこそ、その点は常に意識しています。


-そのために、気を付けていることはありますか?


広報として世に出ていくものが、表層的なコミュニケーションの枠にはめられたものにならないようにすることです。写真写りが良い、といった表層的な綺麗さではなく、作品が表現していることにリスペクトを持ち、メディアを通してもそれが伝わるように心がけています。


たとえば麻布台ヒルズの「チームラボボーダレス」がオープンする前に、先行公開した《Bubble Universe》は、空間が無数の球体群によって埋め尽くされている作品ですが、ただ空間内に光る球体が無数に存在しているわけではありません。人が球体の近くで立ち止まり、じっとしていると、最も近い球体が強く輝き音色を響かせ、光はその球体から最も近い球体に伝播します。光は、一番近くにある球体を起点に、空間中の球体すべてを通るように一筆書きで軌跡を描いていくのですが、光の軌跡となるその線が美しくなるように、空間上の球体の配置は数学的に求めています。


このように、作品が表現していることをわかりやすく伝えることを心がけることで、「作品の見方が変わりました」と言ってくださるメディアの方も多く、細やかなコミュニケーションの積み重ねが大切なのだと実感しています。

チームラボ《Bubble Universe: 光の球体結晶、ぷるんぷるんの光、環境が生む光 - ワンストローク》© チームラボ

-吉川さん自身は、どのように作品の魅力を捉えているのでしょうか?


チームメンバーとのミーティングで、作品の仕様や伝えたいことを聞くのはもちろん、内覧会前に現場を回り、直接、作品を担当したメンバーから工夫したポイントなどを聞くようにしています。


あとは、何度も展示を見て回って感じたことをまとめたり、メディアの方からいただく質問を通じて求められているものは何かを掴むことで、ブラッシュアップしています。やはりメディアにはそれぞれの良さや特徴があり、情報の伝え方や魅力の引き出し方も異なるので、対応を通して学ぶことや発見も多いですね。


ただし、作品に優劣はないものの、動画の尺や記事の文字数の関係で、どうしても紹介できる範囲は限定されてしまいます。限られた中でどのように采配するかは非常に頭を悩ませる部分でもあり、おもしろい部分でもあります。

広報の難しさ-作品の根幹を守るのも仕事のうち

-広報、そしてメディアコーディネートという仕事において、難しさを感じるのはどのようなときでしょうか?


チームラボのソーシャルブランディングチームは、これまで、綿密なプランニングと、丁寧なコミュニケーションによって、対外的な発信を積み重ねてきました。作品の良さをご理解いただけるようメディアや企業の方々とコミュニケーションを重ねることを大切にしています。


また広報の仕事としては、ポジティブな側面だけでなく、リスクやネガティブな側面にも対応する必要があります。現在は取材動画の一部が悪意を持って切り取られ、拡散されるといったことも少なくないので、世に出るものは一言一句まで注意を払って確認し、リスクを抑え、問題が発生した際にも迅速に対応できるようにしています。

広報の醍醐味-世界の見え方が変わる、その瞬間に立ち会える喜び

-広報として、どのような瞬間にやりがいを感じますか?

前職では、どれだけ頑張って業務効率化を行い伴走支援をしたとしても、最終的にはクライアント企業の皆様が意思決定を行うので、本質的な意味で「何かを生み出す」ということが立場上難しかったように思います。チームラボに入り、まだ世にないものをゼロから生み出す側に立ったことで、それがどれだけ大変なことなのかを実感しました。取材記事ひとつとっても、多くの方の確認を通し、それでも「これでいいのかな…」と悩みながら試行錯誤を繰り返しています。


チームラボの作品づくりも、広報の仕事も、仕事の大部分は本当に泥臭く、表には見えないことの積み重ねです。チームラボは、作品のイメージも相まって華やかに見えるかもしれませんが、みんなのたゆまぬ努力によってできているのです。


それでもその泥臭い積み重ねの先には、お客様が初めて作品を目の当たりにしたときのキラキラした表情や、驚きのリアクションに立ち会える喜びがあります。チームラボの作品には「私たちの認識している世界の見え方を少しでも変えたい」という想いが込められているのですが、その想いが作品との出会いを通じて本当に届いているのを感じる度に、「やってよかったな」と心から思います。

作品への愛とタフネスのある方と共に働きたい

-広報チームのメンバーとしては、どんな方と一緒に働きたいですか?

広報の実務経験は問いません。ただし、さまざまなステークホルダーと関わることが多いので、細やかな調整に対応いただける方だといいですね。初対面の方と仕事をすることがほとんどなので、いい意味で「八方美人」というか、出会ってすぐに相手の心を掴んで、どんな方とも渡り合えるスキルのある方が、活躍いただけるのではないかと思います。


また、今年オープンした、サウジアラビアの「チームラボボーダレス ジッダ」や茨城・五浦の「チームラボ 幽谷隠田跡」など、遠方の展示へ自ら三脚などの機材を担いで行ったり、お客様がいらっしゃらない時間にメディアの案内を行ったりすることもあるので、そういった場面でも柔軟に対応いただけるとありがたいです。積極的に考えたり、主体的に動くことをとても大切にしています。


最後に…やはりチームラボの作品に愛を持っていただける方がいいですね。さまざまな場所で展示があるので、是非作品を見た上で、愛を持って関わっていただけたら嬉しいです。

teamLab Phenomena Abu Dhabi © DCT Abu Dhabi *イメージ画像

-最後にメッセージをお願いします!


チームラボでは、今後もアブダビ、ハンブルク、京都など世界各地で大型の常設展のオープンを多数予定しており、とてもおもしろいタイミングです。広報戦略、メディア戦略として自らが思い描いた企画をそのまま実現できて、短いスパンでたくさんのチャレンジができます。やれることはたくさんありますし、世の中に自分の手がけたアウトプットが出ていく醍醐味も感じていただけるはず。是非、一緒に広報チームで力を発揮してくださる方をお待ちしています。

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